RBC 琉球放送株式会社

天と地・歌と三線


 天があって地がある。天だけでは成り立たず、また、地だけでも成り立たない。天と地だけでも尚、成り立たず。天と地の間に【人】があって、この世は成立している。
 歌と三線にも同じことが言える。歌だけでは事足りず、三線だけでも物足りない。歌と三線の間に【心】が存して、人と人の絆と成り得ていると言える。
 歌と三線を組み合わせ読みして【歌三線・うたさんしん】と称するが「歌・三線」の間には常に【心】を融合させなければならないと思う。
 「詠歌は文学。それが三線楽器を得て表現されたとき、それは芸能となる」
 確かそのような意味のことを作家 大城立裕先生は書いておられる。歌と三線を【歌三線】と合わせ読みする理由がはっきりと理解できた。
琉球の祭祀音楽がその理論に沿って成されてきたことに感動を覚えている。
 歌三線は祈り。
 単に娯楽であってもいい。日常の中に【祈り】を込めたい。
 「ゆかる日まさる日さんしんの日」もしかり。歌と三線の間に【心】をあずけて万人で共有したいのである。
 「歌を唄う人のいる所に住まいせよ。悪人は歌は唄わない」(西洋の諺)



放送人 上原直彦