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【全力部活】自転車にかける青春 10冠王者の背中を追う異色の新星

スポーツ
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厳しい練習で県内一の実力を誇る
北中城高校・自転車競技部。
県大会10冠のキャプテンに挑むため
ここで健脚を磨く異色の3年生がいます。
―――――――
県内随一の強さを誇る
北中城高校自転車競技部

「”吐くまで練習”じゃなくて、”吐いてからが練習”ということでみんなで強くなって、そのへんを乗り切れるかどうかなんですよね。」
北中城高校自転車競技部 山本正英(やまもと まさひで)監督

県内全域から、自転車好きが集まります。
中には本部町から自転車で通う選手も―

「Qどれくらい距離あるんですか?」
「67キロです、片道。(往復)134キロぐらいです。」
北中城高 自転車競技部2年 山中蒼天(やまなか そうた)選手

そんなチームの中で断トツの実力を誇るのが
キャプテンの玉城翔太です。

「魅力はスピード感です。自力で出すスピードが時速60~70キロになるので。」
北中城高校 自転車競技部 玉城翔太(たましろ しょうた)主将

去年、地元開催となった南部九州総体。
2年生ながらスクラッチ決勝(8キロ)に進出、黄色のウェアの玉城は、積極的なレースを見せます。残り1キロを切ってもトップを維持した玉城。

「逃げている時間は自分の競技人生の中でとても良い時間だった。」

最後は後続の追い上げを許しますが、
このレースが玉城の目標を大きくしました。

「来年は日本一を狙いたい。」

その後10月の県新人大会では
大会初の10冠を達成
県内敵なしの力を見せています。

そしてもう一人、玉城翔太の背中を追いかける
有力選手がいます。

「翔太、ちょっと油断したら負けますよ。最近(成長)著しいですね。」
山本正英監督

3年の國吉優希(くによし ゆうき)。
得意の3キロ個人追い抜きで
県記録更新と県総体優勝を目指しています。

「最初は絶対かなわないと思って負けると思っていたんですけど、やっぱり一緒に練習していくうちに勝たなきゃなって思って。」
國吉優希選手

実は國吉選手、北中城高校の生徒ではありません。

國吉選手は首里東高校の3年生です。
授業を終えて、すぐ向かう部室は、「生物教室」。

「いつもはショートホームルーム終わって10分以内には出るようにしています。」

生物担当の教諭に頼み込み、首里東で自転車競技部を発足。
ここから北中城村の競技場まで向かいます。

「自転車は値段が高いと知っていたので、高校1年のときにアルバイトをしてコツコツ貯めて購入しました。」

自転車に興味を持ったのは中学3年の3月でした。
北中城高校の入試には間に合いませんでしたが
自転車への思いを捨てきれませんでした。

「”ツール・ド・おきなわ”という年に1回沖縄であるスポーツイベントなんですけど、それを(ネットで)見てこれしかないなと思って、疾走感ですね、心理戦とかもたまらないです。」

そうして北中城高校の練習参加が許されたのが、高校2年の頃、
当初、山本監督はこう考えていました。

「入ってきたときはいつ辞めるかなという部分もあって、何回もそこらへんで吐いていたことがあります。普通は他の学校から練習に入ってきたらついていけないんですよ。落車も多かったのでよくケガもしていたんですけど、食らいついてきましたね、うちの練習に。」

(2人でしゃべる國吉選手と玉城選手)
「起きたらなんか(筋肉痛で)歩けなくなった。」國吉

「だったらギアを軽くした方がいい。絶対ギアを軽くした方がいい、これは時間かけてもやるべきでしょう。」 玉城

そんな國吉選手の大きな刺激が
同じ学年の玉城選手です。

全国インターハイの中止が決まったとき
チームのモチベーションを支えたのもキャプテンの玉城選手でした。

「2年半頑張ってきたので、その努力が報われるということを後輩にも証明するために、僕からモチベーション上げていかないと部内のモチベーションが下がるので。」

日本一という夢はかなわなくても…
自転車での大学進学を目指す2人にとって
来月の県高校総体のタイムは、
大学への貴重なアピール材料になります。

最後の対決に向けて2人は…

「県記録を必ずだして、(玉城)翔太に勝てるようにして、大学という夢を実現できるようにしていきたいと思います。」
國吉優希選手

「いや(負けるのは)無理です。俺が勝ちます。しっかり自分の実力をアピールしたいです。」
玉城翔太主将

自転車に魅了された2人が挑む
最後の県総体。
最高のタイムで次のステップに進むため
集大成に向けた切磋琢磨が続きます

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