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【新春インタビュー】新本店から拓く、沖縄経済の新たな一歩。
地域のポテンシャルを「Empower」する伴走者として。

2025年、観光の好調とともに確かな歩みを見せた沖縄経済。しかし、物価高や人手不足、金利環境の変化など、事業者が直面する課題は刻一刻と変化しています。
今回は、琉球銀行の島袋健頭取をゲストに迎え、RBC比嘉俊次アナウンサーがインタビュー。就任3年目を迎える島袋頭取が掲げる「人材育成」への情熱、そして2026年4月に始動する「新本店」がもたらすグループ一体となった支援体制の未来図を詳しく伺います。

INTERVIEW

「すべては沖縄のために」 人と企業を支え、共に成長する金融のカタチ。

株式会社 琉球銀行 島袋 健 頭取

2025年の振り返り:好調な県経済を支えた「観光の底力」

比嘉 俊次(以下、比嘉): 島袋頭取、よろしくお願いいたします。まずは昨年2025年の沖縄経済を振り返って、どのようにご覧になっていますか。

島袋 健頭取(以下、島袋頭取): はい、よろしくお願いします。県経済、昨年は非常に好調な動きを示してくれたんじゃないかなと思っています。特に観光関連が県内経済を力強くリードしました。 ただ一方で、年間を通してみると、春先には米国のトランプ関税の話がございましたので、「この1年はどうなるんだろう」と非常に不透明感が強い思いで過ごした時期もありました。しかし、結果として県経済は非常に足腰強く進んできました。

比嘉: やはりその主役は観光ですか。

島袋頭取: そうですね。これだけ国内外から多くの方が来ていることを我々自身もすごく実感していますし、その影響が広く県内に伝わった1年だったと思います。

比嘉: 本年2026年の見通しについてはいかがでしょうか。

島袋頭取: 昨年に続き、比較的順調に進むと見ております。一つには、昨年スタートした「ジャングリア」がこの1年、通年で開園していきますので、本格的な経済効果は今年一番出てくるんじゃないでしょうか。また秋には首里城の正殿が再建されます。観光の「目玉」となるこの二つが、大きな牽引役になると期待しています。

比嘉: ジャングリアは新たなアトラクションの計画もあるそうですからね。

島袋頭取: 自分で体を動かして体験する充実感というのは代えがたいものがありますから、私自身も非常に楽しみにしているんです。

中期経営計画「Empower2025」:すべては沖縄のために

比嘉: 昨年、新しい中期経営計画をスタートされましたが、その骨子を教えてください。

島袋頭取: ポイントは2点あります。まず第1点目は、「すべては沖縄のために」という姿勢です。沖縄が持つ成長のポテンシャルをどう生かし、我々が沖縄とともにどう歩んでいけるか。2点目は、そうは言っても琉球銀行自身の足腰が強くならなければいけないということ。しっかりとした財務基盤を作って、いかに沖縄に貢献するか。 この2点が重要なポイントです。昨年新しい中期経営計画を策定しましたが、タイトルの『Empower2025』には、「人に力を与える」というメッセージを込めています。まさに沖縄とともにどう成長していくか、その道を具体的に探っていく経営計画となっています。

比嘉: 「沖縄とともに伴走していく」ために、特に重点を置いている分野は何でしょうか。

島袋頭取: やはり、それを支える「人」をどう育てていくか、そこに尽きます。私自身、頭取に就任して3年目を迎えますが、私の“1丁目1番地”は人材育成です。 伴走支援をするにしても、行員がスキルやノウハウを磨き、実践力を高めることが鍵となります。だからこそ、その力を高める人材育成に引き続き注力していきたいと考えています。

比嘉: 具体的に教えていただけますか。

島袋頭取: 特に一昨年から日本銀行の政策が変わり、「金利ある世界」に突入しました。今の行員にはこの環境を体験している者が少ないんです。金利の上げ下げがお客さまの財務や売上にどう影響するのか。基本的なことではありますが、丁寧にお客さまの声に耳を傾けることができる人材をしっかりと育成していきたいと考えています。

DXと決済サービスで慢性的な「人手不足」に立ち向かう

島袋頭取: 県経済のリスクとして「物価高」や「人手不足」が慢性的に続く可能性があります。県内の事業者の皆さまの課題はこれらへの対応です。我々は、その課題解決に向けた伴走型の支援を検討しており、そこで鍵となるのが「DXサービス」の展開です。どれくらい事業者の皆さまの省力化が図れるかがポイントです。我々が目指す「キャッシュレスアイランド」の推進とともに、精算決済から事務作業の効率化までを一気通貫したサービスを提供したいと考えています。また、我々にはグループ内にIT企業もありますし、さらにはグループ外とも幅広く連携することで「物価高」や「人手不足」でお悩みの事業者の皆さまに、さまざまな角度や目線で最適な提案を行っていきたいですね。

比嘉: M&Aや事業承継、特に「医業承継」にも注力されています。那覇市医師会との連携協定も大きな動きですね。

島袋頭取: 医療分野は、金融機関によるサポートが今後ますます重要になります。

比嘉: 医師の先生方は、日進月歩の医学を学び、学会に参加し、さらに経営もこなさなければならないですよね。

島袋頭取: 承継の話もありますし、人手不足もあるのが実情です。 我々には事業承継チームやM&Aチーム、そしてDXチームがいます。これらが一体となって、「人手不足の中でいかにクリニックや病院の経営をサポートできるか」を追いかけていきたいと思っています。

4月、新本店が始動。県経済の中心地から未来を切り拓く

比嘉: さて、2026年4月には、いよいよ新しい本店が営業をスタートしますね。

島袋頭取: はい、我々にとってのビッグイベントです。 昨年秋に竣工し、2月から引っ越しを始め、4月から本格稼働します。旧本店には戦後53年間、本当にお世話になりました。 新しい本店は、地下1階・地上13階建て。面積は旧本店の約2.5倍になります。最大の特徴は、7階から13階までをホテル(ザロイヤルパークホテル アイコニック 那覇)としてお貸しする「複合ビル」であることです。

比嘉: 銀行の本店ビルにホテルが入るというのは全国的にも珍しいですよね?

島袋頭取: 非常に珍しいと思います。“観光都市那覇”“観光立県沖縄”という地の利も生かされてるんじゃないかなというふうに思ってます。

比嘉: 行員の方々の働き方にも、面白い工夫があると伺いました。

島袋頭取: 執務フロアは柱をなくして、奥行きが80メートルほどあるんです。また、フロアを繋ぐ内部階段も作りました。エレベーターを使わずに歩いて移動することで、健康を意識しながら行員同士やグループ会社の社員が顔を合わせ、コミュニケーションを取る。この「一体感」が、新しいアイデアを生むと期待しています。

「沖縄のありたい姿」を考え、100年先を見据える

比嘉: 今後の沖縄の成長について、島袋頭取はどのような期待を持たれていますか。

島袋頭取: 私はいつも「沖縄のありたい姿」を考えます。沖縄が持つ地政学的優位性は、地球が壊れない限り、将来にわたっても変わらない普遍的な価値です。 人、物、金が常に沖縄で交流し、ここがそのハブになる。そうなれば、沖縄のポテンシャルはもっともっと高まります。我々は地域金融機関として、その歩みを金融の面から支え、サポートし続ける存在でありたい。 我々がいかに行動し、沖縄県経済を引っ張っていくか。新本店がスタートする今年は、まさにその新しい歴史がスタートする年にしたいと思っています。

比嘉: 本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に皆さんへ一言お願いします。

島袋頭取: ありがとうございました。那覇市久茂地にお越しの際は、ぜひ新しい本店の中も一歩踏み込んでご覧ください。建物に負けないよう、サービスの展開を今年もしっかりやっていきますので、ぜひとも「なが~いおつきあい」をよろしくお願いいたします。

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