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コロナ不安 気落ちするメカニズムとその対処法とは?

くらし
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沖縄県内で新型コロナウイルスの感染が確認されてからおよそ3カ月。
その影響は人の心にも広がり、恐怖や不安という形で表れ始めています。

30代・男性の投稿
「こわいです、ともかくこわいです、持病持っていない若い人でも、重症化すると聞いたので怖くて」
30代・女性の投稿
「子どももまだ小さいので学校や生活がとても不安です。」

 

RBCにはこうした新型コロナウイルスへの不安の声が多く寄せられています。
60代の母親を心配する娘の声もありました。

「母親がコロナに対して恐怖心が強すぎて心配しています。
同年代の著名人の訃報を耳にするたびに“私も死ぬかもしれない”と涙を流す日々です。」

不眠や引きこもりなど、こころの悩み相談を受け付けている沖縄県総合精神保健福祉センターにも不安の声が寄せられています。

「(新型コロナウイルスのせいで)不安が高まっているとか、不眠が出てきて、これからどういう風に対応したら良いかわからないなどそういった相談がきています」(沖縄県総合精神保健福祉センター精神科医 宮川治 所長)

 

さらに宮川治所長は、不安のメカニズムについて、目に見えず、「死」を連想させることが、人を不安にさせるといいます。

「危機的状況に不安に思うのは当たり前の反応。この反応がなければ自粛とかしないで、人類はほとんど死んじゃったみたいなことになる」

そしてこの恐怖とうまく付き合わないと、不安が肥大化し、最悪の場合うつ病を発症。
そうなりやすい人たちにはある特徴があります。

「不安がどんどん大きくなる人は孤立している人に多いと思います。たぶん皆さん経験あると思うんですけど、嫌なことがあると一晩中それを考えて、ぐっすり眠れなくなるとか、ほかのことを考えられない状況になりますよね」

この不安を解消する一つが“会話”です。

「人に話せなかったことを思い切って電話で話してホっとしたというこれは皆さん経験あると思うんですけど、
人とのつながりを持つということは、一人で抱え込みを無くすという、すごい重要な意味があると思います」

このほかにも規則正しい生活を送ることや、情報を取り入れ過ぎないことも有効な手段とされています

 

一方で悩みをうまく言葉にできない子どもたちに対し、大人たちはどう接すればいいのでしょうか?

児童や家庭に対する支援が専門の沖縄国際大学の比嘉昌哉(ひがまさちか)教授はこう指摘します。

「我々の言葉からすると“受容”と“共感”、こどもが話してくれることを否定せずに聞く。特に学校に行って、楽しかったこともあるだろうし、そうじゃないことも出てくるかもしれませんが、とりあえず学校でどうだったの?と聞く」(沖縄国際大学 比嘉昌哉 教授)

 

普段より会話する時間を多くとること。
これが子どもの不安を取り除くことにつながります。
さらに会話の中で子どもたちのあるサインを見逃さないで欲しいと話します。

「小学校低学年は大人に甘えてくる、べったりくっついてくる。
近づいて離れなかったりとか、突然怒り出したりとかの反応が表れます。それから、高学年、思春期に入ってくる子どもたちでは、身体症状の部分がかなり出てくる。頭痛や食欲不振など。」

こうした変化を感じたら、一人で抱え込まないで、学校や専門家の力を借りてほしいと訴えます

「学校では、教職員が中心になりますけど、スクールカウンセラーや、スクールソーシャルワーカーも地域にはどんどん増えているので、そういった専門職につなぎながら、関わっていくことが大事かなと思います。」

 

ここからは心のケアについて詳しく解説。
まずは心の安定を保つためのポイント。

①会話で人とつながる
 誰かに悩みを話すことで、ストレスが軽減。
 直接ではなくてもオンライン上や電話でも同じ効果が得られます。
 大切なのは不特定多数のだれかではなく、信頼できる人と話すということです。

②規則正しい生活を送る
 十分な睡眠とバランスの良い食事をとることが心の安定にもつながります。

③情報を過度に取り入れない
 新型コロナウイルスの情報はネットやニュースの中に、溢れているので、
 それを浴びすぎないこと、適度な距離を保つことが重要です。

この心のケアは、新型コロナウイルスに関わらず、どんなときにも活用できるメンタルヘススケアとなっています。

この3つを実践しても、まだ不安に感じるという方がいれば、「新型コロナ関連専門回線 こころの電話相談(080-6486-2002)」に問い合わせください。

また精神科医の宮川治所長からこの時期、ストレスを抱えている子どもをどう守っていくのか、親へのアドバイスを頂きました。

「新型コロナウイルスからお母さん、お父さんが守る」と直接言葉にして伝えることが、こどもの心の安定につながると話します。

 

子どもにとって絶対的な存在の親からの言葉が、安心感を与え、こどもたちの不安を取り除く効果が期待できるということです。

 
 

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